「めぐりあう時間たち」マイケル カニンガム

THE HOURS―めぐりあう時間たち 三人のダロウェイ夫人
映画を先に見ました。映画館で1回、DVDで1回。
DVD買おうかと思っているくらい、好きな映画です。
最初は原作を読むつもりはなかったのですが、最初のウルフの夫にあてた手紙の部分を読んだときに買わずにはいられませんでした。
「わたしたちほど幸せな二人はいない」
その言葉は、とてもせつない。
この3人の女性は、みんなそれぞれに私をひきつけるものを持っています。
その中でも一番私をひきつけたのは、ミセス・ブラウンでした。
登場人物の中では一番平凡な彼女。
それゆえに、彼女の閉塞感はとてもリアルに感じ取ることが出来る。
完璧な生活にゆえに、不満を持つことさえ罪に感じる日常。
まわりのだれも、ミセス・ブラウンの孤独に気がつかない。彼女は毎日溺れかけているのに。
世界からおきざりにされたような、晴れた日曜日にぴったりな1冊でした。
アンチョビ評価 ★★★★★