「ダロウェイ夫人」 ヴァージニア・ウルフ

ダロウェイ夫人 (角川文庫)
「人から思われているのと同じ」と自分のことを考えている人は、きっとこの世の中にはいないのだろう。
「人から思われている自分を演じる人」はいるかもしれないけれど。
クラリッサは、自分を少し恥じている。
愚かな自分を恥じながら、それを止められないでいる。
だけど、みんなはそう思わない。周りは断片的な情報でしかクラリッサのことを判断しないからである。
人間は、みんなちょっとずつの不幸を抱えながら生きているのだと思う。
それを表に出す人、出さない人。忘れている人、忘れたふりをしている人。
だけど、みんな生きていく。
アンチョビ評価 ★★☆☆☆