「風の歌を聴け」 村上春樹

風の歌を聴け (講談社文庫)
18年の間何回も読んでみるのだが、いつも、そこに、あ、る、空気は変わらない。
子供ながらに感じた空気と、形だけでも大人になってから感じる空気は全く同じである。
こんな小説が書けるのは、村上春樹だけだ。


大人になる過程で人は様々な感情を知り、少しずつ年老いていく。
少しずつ塵がつもるように、我々は感情を積み重ねて生きていく。


村上春樹を読むたびに、自分の位置を確認する。
今立っている場所が、本当に自分の立つべき位置なのかを問いかける。