2004-09-26 「風の歌を聴け」 村上春樹 18年の間何回も読んでみるのだが、いつも、そこに、あ、る、空気は変わらない。 子供ながらに感じた空気と、形だけでも大人になってから感じる空気は全く同じである。 こんな小説が書けるのは、村上春樹だけだ。 大人になる過程で人は様々な感情を知り、少しずつ年老いていく。 少しずつ塵がつもるように、我々は感情を積み重ねて生きていく。 村上春樹を読むたびに、自分の位置を確認する。 今立っている場所が、本当に自分の立つべき位置なのかを問いかける。