東京タワー
- 作者: 江國香織
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2001/12/01
- メディア: 単行本
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黒木瞳はきらいなわけじゃないけど、岡田君だって、だけど。
どこかのレビューで「ただの不倫映画になりさがった」みたいなコメントがあったのできにはなっていた。
この前はじめてCMをみた。
だめだった。見ないでおこうと思ってしまった。
寺島しのぶの熱演が見られないのは、本当に残念だけど。
もともと江國香織の小説の中でも、特に気に入っている話でもなかった。
昔はそんなことなかったのだが、どんどんと「不倫」に対して批判的になってきた。
結婚したからとかそんなんじゃなくて。
「不倫」は私とは住んでいる世界が違うのだ。
自分にとことん酔ってしまえる人でないと、あんなものする気力がでないのではないかと思う。
不倫をする人はいろんな理由をいう。
だけど、そんなのは全部自分の都合だ。いいわけだ。
それに不倫は一人では出来ない。相手の人生にもかかわってくるのだ。
若くして不倫をしてしまった人の、そのとても貴重な若い時間は帰ってこないのだ。
それが人生にとっていい経験だったとか、本当に思えるだろうか?
それに「不倫」をしている人は、本当は秘密なはずなのに、なぜみな打ち明けてしまうのだろうか。
それも「かわいそうな自分」という演出とともに…。
きっとこの世からなくなるものではないだろうとは思うので、なるべく二人だけで箱の中ですませてほしいものである。
自分の夫が「不倫」をしているとわかったら?と考える。
私は夫の人間的な弱さに失望するだろう。
さらに、相手の女の人と二人で「真剣だ」なんていわれた日には、二人を残してさっさと別の場所で別の人生をはじめるだろう。
「私はもうすっかり夫に失望してしまったし、人間の性根なんてあんまり変わるものじゃない。そんなに二人でいたいのならば、そうすればいい。だけど夫は私と一緒でないとあまりよい人生を送ることは難しいと思う。そしてあとで必ず夫は自分でそう思うはずだ。だけど、それはなによりもう夫が選んでしまったのだ。たとえ選んだつもりがなかったとしても。慰謝料なんて全然いらない。今後の私の人生は私だけのものにさせてほしい。」
そんなふうに述べて、荷物をまとめて出て行くだろう。
私は、どうやらだんだんと厳しくなってきてしまっているようだ。
いろんなことが「その人が弱いからだ」という理由にしてしまっている。
うーん。