読書日記

路上 (河出文庫 505A)

路上 (河出文庫 505A)

長い時間をかけてやっとこの「路上」を読み終えた。じっくり読むことに非常に向いている作品だったように思う。
主人公サル・パラダイスの物語でもあり、ディーン・モリアーティの狂気の記録でもあった。ディーンの祝祭的な狂気とともに彼らは東から西へ、西から東へ、そして南へ旅をする。
ディーンの圧倒的な非日常感は、魅力的であり、自分をすり減らすことがあこがれの時期にはぴったりの相手だ。だけれども、人は少しずつ大人になり、安定感を求め、ひとりひとりディーンから離れていく。
いつだって、変わらない人だけが置いていかれる。そんなことを、思った。