読書日記

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)

最近読んだ中では、ぶっちぎりの本。ここ数年ずーっと思っていたもやもやが、読んでいくうちにすっかり取り除かれたような感じ。
西原さんは、去年福祉ネットワークで亡くなった旦那さんの話をしていたことを見るまで、あまり興味を持っていなかった。だけどそのときの話があんまりにもすごくよくまとまっていたのと、その後もよく同じ番組で西原さんの話を聞くたびに、この人はすごい人だと思うようになっていった。そして今一番興味がある話題を西原さんが本にしてくれた。これはもう読むしかないと思った。
「働くことに過剰な期待を持ちすぎている人が多すぎる」ことと、「客観的に自分の能力が把握できていない人が多すぎる」こと。そんなことがずーっと私の心にひっかかっていた。
「働く」ということをシンプルに考えられない人が多すぎて、この世の中はこんがらがってしまった。
本の中にこんな一節がある。

よく「自分に向いてる仕事がない」って言う人がいるけど、食わず嫌いしてるってことも、あるんじゃないかな。やってみなきゃわからない、そんなことって、この世界には、いっぱい、あるからね。自分のことをやる前から過大評価してると、せっかくのチャンスを逃してしまうかもしれないよ。

まさにこれなのだ。「自分に向いてる仕事」は自分が決めるものではないと思う。好きか嫌いかは自分で分かるものだけど、向いているか向いていないかは、周りの人が決めてくれる。だからやる前から自分では決められないのだよ。
それと同じように「なんで俺がこんな仕事しなくちゃいけないんだ」というのもある。ちょっと待てよー。今のあなたは、今までのあなたの積み重ねなわけよ。「もっとやり甲斐のある仕事」に就きたくても就けなかったから、その仕事をしてるんじゃないの?じゃあ、それをまずはやろうよ。その先にジャンプできる未来のあなたは、今のあなたが作ってくんだよ。

そんな私のもやもやを本当にすっきりさせてくれる本だった。あんまり素晴らしい本だったので、読み終わってからも何度か手にとってぺらぺらと読み返して、そのたびにすっきりしている。
働くことは、生きること。