「死ぬという大切な仕事」 三浦光世

死ぬという大切な仕事
三浦綾子さんの旦那さん光世さんが様々な「死の迎え方」を集めたエッセイ。
三浦綾子さんの「道ありき」を読んだ時、涙があふれてなかなか次のページに読み進むことが出来なかった。
とくに、婚約者であった前川正さんをなくされた頃のことは、読んでいる私ですら悲しみの淵に落ち込んでしまった。


妻の如く想ふと吾を抱きくれし君よ君よ還り来よ天の国より


この本の中でやはり一番大きな衝撃を受けたのは、秘書「八柳洋子氏」の死の迎え方である。
「がん」を神様からの贈り物と考え、告知されたときも自分のことよりもそのことを伝えなければならなかった夫のつらさを想う。
到底普通の人間では出来ない言動である。
キリスト教という宗教の深さを考えざるをえなかった。


「死」は考えるほどに遠くにあるように感じる。
だけど「死」は確実に私の足をいつのひか捕らえる。
その日が来るまで、悔いなく生きていける自分でありたい。


よく生きて、よく死ぬ