「グッド・ガール」

グッド・ガール [DVD]
ジェニファー・アニストンジェイク・ギレンホールの不倫話。
くらいにしか予備知識が無くて見たもんだから、やられました。
と、いうかですね、何なんだこの話は!?
途中から、せつなさとおかしさが入り乱れて乾いた笑いを発しながら見てしまいました。
えーっと、あんまり面白いので話を追っていきます。
これから見る人は、ストーリー全部書くので気をつけて下さい。


ジェニファー・アニストン演じるジャスティンは毎日の生活にうんざりしている。


ジャスティンの勤めるさえない店に、ジェイク・ギレンホール演じる自称ホールデン(←この時点でやばい)が入ってきた。
ホールデンも、同じように自分を理解してくれない世界にうんざりしている。


お互いしか自分を理解してくれる人はいないと思いこんで(特にホールデンジャスティンはあんまり考えていない)モーテルや倉庫で愛し合う二人。
せまい町なので、すぐに二人の関係は知人に知られてしまった。それも夫の親友。
しかも、この親友が夫には秘密にするから自分と寝ろと迫る。
またしても深く考えないジャスティンはいやいやながらも寝てしまい、その現場をホールデンに全て窓の外から見られてしまう。
悲劇の主人公となってしまったホールデンに、ジャスティンは手がつけられない。
店の親友が死んだ原因だと思うブラックベリーを食べさせて、ホールデンが死ねばいいのにと思ったり、途中で苦しくなって止めたり。


夫とジャスティンに子供はいない。夫はしぶしぶ検査に行く。
その後すぐにジャスティンの妊娠が発覚。よろこぶ夫・・・。
その頃悲劇の主人公ホールデンは、店のお金を盗んで逃亡。ジャスティンを待ち伏せる。
「お金はある、一緒に逃げよう」


ここからがすごい。普通の映画なら、ここからむりやり美化するところなのに、ジャスティンは女のしたたかさを見せつける。
ホールデンには明日一緒に行くからと、モーテルでの待ち合わせをして別れる。
しかし店には彼の居所を知っていると打ち明けて、自分の職を守る。
夫は無精子症と検査結果が出たのに、自分の不倫をあやまり、子供は神に誓ってあなたの子供だと言ってのける。
警察に追い詰められたホールデンは自殺し、ジャスティンはそれまでと変わらない暮らしの中で子供を生む。


まずジャスティンはうんざりしているといっても、何も選ばず考えずに生きてきた女の人が結婚したあとに陥りがちな
「あたしの人生なんだったの」
ぐらいのうんざり度です。
さらに不倫相手が自称ホールデンの時点でやばい。それも10代ならまだしも設定は22歳。
そんな22歳と不倫でなくても、関係をもってしまったら後は泥沼だ。
だけど何がすごいって、ジャスティンのしらのきりっぷり。
やっぱり相手に嘘を突き通すのは、女のほうが上手いと思う。
守りたいものがあるときの女は強い。しかも、この場合ジャスティンは守りたいものが自分であるということが、女のしたたかさと本質をとらえていると思う。
世の中で一番のつわものは「あんまり深く考えずに生きてきた自分だけがかわいい女」なのかもしれない。


しかし、こんな話の中にもときめきが伝わってくるシーンなんかもあって、ホールデン役のジェイク・ギレンホールが本当にかわいく見えてくる。
年のはなれた若い男の子と付き合ったことがある人だと、絶対にくうっとくる場面があるというおまけつき。


アンチョビ評価 ★★★★☆