DV ドメスティック・バイオレンス

hirocco2005-04-20

監督は中原俊
オフィシャルサイトhttp://www.fullmedia.co.jp/dv/の冒頭ではこんな質問が出される。


・夫とのSEXは正常である。 YES/NO
・夫以外の人間と人間的な会話をしている。 YES/NO
・家計は自分が管理している。 YES/NO
・夫の機嫌を取ろうと努力している。 YES/NO
・夫に恐怖感を感じている。 YES/NO
・夫が暴力を振るうのは、自分にも非がある。 YES/NO
・根はいい人だから暴力さえなければ、何とかやって行けると思う。 YES/NO


暴力を日常的に振るう人と付き合った経験はない。
だけど、何かというとキレかけて胸ぐらをつかんでくる人とは付き合っていた。
「しょせん脅しだから」「本当に殴られることはないから」
「根はいい人だから」
そんなことを思いながら、付き合い続けていた。


その日は突然やってきた。
前々からかなり険悪な関係になってきたのだが、我慢できないことが起こった。
私は腹を決めて相手を罵るとき、自分でもびっくりするくらい相手を追い込む。(特に男性への追い込み方は見事だと思う)
そのときも完璧に追い込んだ。二人に出口はなかった。


その瞬間私の体は吹っ飛んで、頭はテーブルの角に打ち付けられた。
目の前が真っ暗になった。声も出ずにうずくまった。
彼は私が死んだと思った。
彼は座っている私の肩を思いっきり蹴り上げたのだ。


別れる 別れる 別れる 別れる 別れる


そのことしか思い浮かばなかった。
「ごめん」と涙でぐちゃぐちゃになった彼が目の前にいた。
泣きたいのは私のほうだ。だけど私は泣けなかった。


「もう、別れよう、無理だ」そうつぶやいた。


彼は何回も何回も「二度と暴力は振るわない」「悪いところは全部なおす」といったが私はそれだけは無理なことを知っていた。
言葉に出来ないもどかしさを「暴力」という形でしかあらわせなかったために、彼は私を蹴り上げた。無意識に。
無意識な部分を人はコントロールできるだろうか?


暴力を受けている人、あなたは悪くない。そこから旅立とう。