「ドッグヴィル」

やっと時間ができました。でもうまくかけるかしらん。
これは時間の都合で、パソコンで再生して見ました。さらに私のパソコンは普通の状態では音が出ないので、イヤホンを差し込んで聞きました。(ipodのものを使用)こんな状態で映画を見るのはいかがなものか?と思ったのですが、実はこれが大正解。この不思議な映画にはぴったりな視聴方法でした。
舞台のようなセットの中で、繰り広げられる人間模様。すごかった。想像以上にすごかった。この映画に引き込まれない人いるのか?と思ってしまうくらい入り込んでしまった。


見終わった直後の精神状態が「光の雨」を見た後と同じだった。

光の雨 特別版 [DVD]

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私はこの中の誰でもないけれど、誰にでもなりえる。


そんな自分に対する恐怖感を少し感じたのだ。ドッグヴィル光の雨はどちらも閉ざされた空間の中で、だんだんと狂気に犯されてしまう人々の話だ。この世界にはいろんな場所があっていろんな人たちがいる。閉ざされた空間でしか暮らせないと思い込んでいる人には、そんなことが想像できないのだ。彼らにとっては、その空間の中で自分の位置を見つけること、それだけが全てなのだ。その閉ざされた集団の中ではじかれてしまったら、終わりなのだ。(全然終わりではないのに)人間は本能的に自分を守る。ありったけの嗅覚を研ぎ澄ませて、自分にとっての一番いい状況に加担する。自分も同じ状況になったら?遠く離れた場所で彼らを「弱い」だの「醜い」だの語ることは簡単だ。でも私はあのドッグヴィルの村の中で、それでもグレースにやさしくすることが出来るだろうか?私は自分の中の醜さを見つけ、そして異常なほどの激しさでグレースにあこがれる。


私の中の、天使と、悪魔。


アンチョビ評価 ★★★★★