映画日記

舞姫 / 監督 成瀬巳喜男


成瀬巳喜男は、昔に教育テレビの特集を見てからずっと気になっていた。小津作品よりもなんだか艶っぽいのだ。それでだいぶ前にBSで特集で毎日放送していたものを撮りためていた。この「舞姫」見る前に「妻」は観賞済み。
先にこの「妻」を見てしまったので、改めて高峰三枝子はすごいなぁと思いながら見ることが出来た。「妻」では高峰三枝子は完全に冴えない倦怠期夫婦の妻を演じきっていた。しかし、この「舞姫」は「妻」よりも前に撮られた作品であり、高峰三枝子演じる波子は恋人と夫の間で揺れ動くという役柄であり、さらに別の男性から強く言い寄られたりもする。そう「妻」に比べるとこの「舞姫」の高峰三枝子はとてもとても色っぽいのだ。和装も洋装も雰囲気がまったく変わるのに、どちらも上品で色気があるのだ。
さらにこの高峰三枝子を引き立てているのが、娘の品子を演じる岡田茉莉子だ。この二人が並ぶとそれだけで上品な雰囲気が画面いっぱいに広がる。身に着けているもの全てが上質なものであるように思われる。
話としては「妻」の時もそうだったように思うが、前半というかかなり後半まではわりとたらたらたらたらと話が進んでいく。そして、気を抜いたころに登場人物たちがいきなり事を大きくしだすので、最後はわりと見入ってしまう。
この「舞姫」も1時間くらいは高峰三枝子が「あたくし・・・」なんて話しながらのらりくらりしているのだが、1時間を過ぎた頃に夫がいきなり食卓で事を荒立てる。最後は、ま、収まるんですねけどね。
とにもかくにも、1950年代の美しき日本が堪能できます。

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これは夫が購入。すっごい豪華キャスト。やっぱり麻生久美子はいいねぇ。香取慎吾と一緒のときと、部屋に戻って松たか子と一緒になるときとの顔が全然違って「さすが!」と一人思ってしまった。みんないいんだけど、あとは佐藤浩市篠原涼子は特に良かった。松たか子もああいう勝ち気なセリフを言わせたらピカイチ。夫はYOUが歌い出したときにびっくりしていた。「なんで?」と思ったら、夫はYOUがボーカリストである事実を知らなかった。ので、その場で即レクチャー。これは、楽しかったのでまた見ると思う。