映画日記

シッピング・ニュース 特別版 [DVD]

シッピング・ニュース 特別版 [DVD]

心の傷が癒えるまで。その経過はひとそれぞれだ。だけど、その傷を人に打ち明けることが出来るか出来ないかは、癒える時間にひどく影響していると思う。
人に話して理解してもらうこと。それだけのことが、大きく傷を癒す。だけれども、誰にも話すことが出来ず、その傷を一人で抱え続けなければいけいない場合、自分自身でその傷を癒すのにはとほうもない時間がかかる。
抱え込んでいる傷は、自分が思うよりも本当はなんでもないものなのかもしれない。そのことは、形にして誰かに伝えなければ知ることが出来ない。一人で抱えてしまうと、自分の中で傷はどんどんと大きく膨らんでいき、ますます人に話せなくなっていく。
娘が父に問いかける「ママが家出したのは、私のせい?私が退屈だったから?」
その言葉を聞いた父親は、娘を抱きしめる。そして微笑む。父親にとってはそんな微笑ましくも感じる娘の問いかけは、娘の口から発せられるまでは確かに娘の傷であったのだ。その傷を一人で抱えていた娘は、どうすることもできず、ただただ人形を壊れるまで殴り続けていたのだ。
人を傷つけるのも人なら、人を癒すのも人だ。
大きな地球の上で暮らす小さな我々は、小さくもつながりながら、今日という日を生きている。