映画日記

「THE 25TH HOUR」

スパイク・リーの映画を見ていると、自分が試されているように感じるのはなぜだろう。「さあ、おまえの感覚で挑んでおいで」といわれているようだ。今回も途中から、私は自分の感覚が正しいのか間違っているのか、はたまたはじめからそんなものは存在しないのかなんてことをぐるぐると考えさせられてしまった。
誰かが嘘をついている
フィリップ・シーモア・ホフマン演じるジェイコブがフランクの部屋でつぶやいたのは、まるでこの世界を象徴するような言葉だった。モンティと過ごすだれもが混乱して、自分自身を見失う。
フランクが部屋で話したことと、モンティと向き合って話したことはまったく逆だ。どちらが嘘なのか?どちらも嘘なのか?どちらも嘘ではないのか?私は私の頭と感覚で考え続ける。
気づいたときには、目の前の水割りがすっかり飲み干されていて、私は画面に近づきすぎていた。これからも私はスパイク・リーを見続けるのだろう。