「MATCH POINT」

スカーレット・ヨハンソンが素晴らしかった。あまり彼女の作品を見ていないのであれなのだが、以前に見たときはどうしても「スカーレット・ヨハンソンはこの役を演じている」という意識が、頭の前方部分にもやもやと浮かんでしまったのだが、今回は完全に「ノラ」として見る事ができた。
この映画を見ているとき、何度か胸がきゅーっとなるところがあった。それは、好意を持つという瞬間に訪れる胸のときめきのようなものだ。そういう瞬間を何度も繰り返し、人は人を好きになる。スカーレット・ヨハンソン演じるノラのしぐさや言葉から、なんども私はその瞬間を感じとる。
結末はひどく最低なのだけれど、ウディ・アレンのせいなのか不思議とそんなにひどい気持ちにならなかった。「認めたくないけれど存在する人生のパターンのひとつ」として捉えてしまった。とにかく不思議な気持ちを残す映画だった。