映画日記

「ENDURING LOVE」

Jの悲劇 [DVD]

Jの悲劇 [DVD]

愛に耐えること。
1つの気球事故を通して、人間の感情にせまるせまる。すべての行動や気持ちに意味はあるのか?愛することに意味はあるのか?
遠いある日、夫と少し意見が食い違い、険悪な雰囲気になった。そのときふっと心に「夫は自分に都合のよい私のことは好きなのだろうが、反抗的だったり、自分の都合に悪い私になってしまえば必要としなくなるだろう」と考えた。しかし、その次の瞬間私は自分に問いかけた。
「あなたは?」
私は一方的に夫が自分をある意味利用していると考えたのだが、はっきり言ってしまえば私も同じだった。私が夫と一緒に暮らしているのも、結局は一緒にいることが自分にとって一番都合がいいのだ。もし、夫の人格が変わってしまい、自分にとって都合が悪くなったら、きっと私も彼からはなれていくのだろう。そのことに気がついたので、最初に考えた夫への言葉を発せずにすんだ。
が、この映画の主人公は混沌となった心のままに言葉を発し、周りの人を傷つけ続けてしまう。もちろん、同じように自分も傷つき、ボロボロになる。愛ってなんだ?
生きること、愛すること、そのすべてに意味はあるかもしれない、そしてないかもしれない。
ガガガSPのいうように、人は意味をつけたがる生き物だ。だけど、そんなときいつもTOMOVSKYが歌う「意味のない組合わせはある」を思い出すように心がける。全部に意味があると思うとしんどいし、意味がないのはちとつまらない。だからたまに、「まー、これは意味ないんじゃない」と思える余裕を持ちたいからだ。
映画を見ていくうちにわりとしんどくなるけれど、ぐるぐる考える人にはよいかもしれない。意味があっても、なくても、心が感じるままに楽しみ、悲しみ、それでも少しでも明るく生きていければいい。