日記

「Kundun」

クンドゥン [DVD]

クンドゥン [DVD]

セブン・イヤーズ・イン・チベットはレンタルして観たけれど、この「クンドゥン」は劇場公開時に観た。観たくて観たくて、当時勤めていた会社で「今度公開されるこの映画が見たいんですよ」と話したら、ダライ・ラマ好きな先輩が「私も見たい」といったので一緒に見に行った。
覚えているのは、中国の旗とともに立てられたスピーカーから騒音が鳴り響く場面。−静寂さえ奪われてしまった−
この映画を観るまで、私は自分の思想について真剣に考えたことがなかった。自分の頭で自由に物事を考え表現することは、あまりにも自然な行為で、考えるまでもないことであったのだ。「思想を禁止される」そのこと自体が、感覚として本当に理解は出来ていない。しかし、それがずいぶんとひどいことであることは理解できた。そして、小さな映画館の右後方の座席で私はとてつもない寂しさに襲われた。
チベット問題はとても大きく、我々はあまりにも小さい。だけど、こういった問題が起こるたびに思う「我々はまず知ることからはじめなければならない」と。