DVD映画日記

「Freedom Writers」

フリーダム・ライターズ スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

フリーダム・ライターズ スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

誰でも多かれ少なかれ、偏見を持っている。「○○人は■■だから嫌い」とか。
様々な人種の生徒が集まる教室で、それぞれが偏見にとらわれ、狭い教室の中に国境を作り出す。国境があるということは、そこには戦争があるということだ。戦争のさなか、のんきに国語の授業なんか受けていられないのだ。
生徒たちと向き合い、現実を知り、教師は教室の国境を消していく。
教室の真ん中にテープで線を引き、質問に当てはまる人は線の手前まで進む簡単なゲーム。
最初は当たり障りの無い事柄から、流行の映画を見たとかCDを買ったかとか。少しずつ教師は彼らの中に踏み込んでいく。家族や友人が殺されたことがあるか、それは1人?2人?3人?それ以上?家族や友人で刑務所に入った人がいる?自分は?
それまで、自分たちなりの国境を作っていた彼らに変化がある。国境の向こう側にいたあの子と私は、ひょっとしたら同じ線の中にいるのかもしれないと考え始める。微妙な変化を抱えた彼らに、教師はあるものをプレゼントする。
それは1冊の白紙のノート。
なんでも書いて、今日のこと、今までのこと、自分のこと。とにかく毎日書いて。書いたかどうかはチェックするけど、決して中身を読んだりしない、あなたから「読んで」と許しを得るまでは。読んでもらいたいと思ったら、教室の隅のあの棚に入れておいて。
そして、彼らは書き綴る。堰を切ったようにあふれ出す、今までの彼らの人生。本当は誰かに聞いて欲しかった。だれにも話したことの無い、本当の自分のことを。そんな彼らの感情がノートの中にあふれ出す。本当の自分と向き合うなんて怖くて出来なかった。生きることは戦いだった。やるか、やられるか。そんな中で生きていくには、素直な自分ではいられなかった。だけど、彼らはまだ十代の子供なのだ。子供は誰かに無条件に受けいれてもらう権利がある。そして、教師は彼らのすべてと向き合い、受け入れ、導いていく。


どのエピソードをとっても、素晴らしかった。現実に心打たれ、乗り越えていく彼らにまた心打たれた。