読書日記

人を動かす 新装版

人を動かす 新装版

タイトルからして、人の上に立つ人のための本かと思っていた。
しかし、読み終わってから思うことは、この世界で多かれ少なかれ「人」と触れ合うすべての人は、1度は読んでみるといいと思う。
いろいろな逸話をまじえて、「ふむふむなるほど」と思わされるのだが、すべてを通して基本となっているのは「相手の立場になってみる」ということだろう。
私たちは誰しも理解されたがっているのだ。
自分の興味のあることは、聞かれなくても延々と話してしまう。(このように勝手に文章にしたりもする)
どんなに大好きな相手がいようが、結局私たちは自分の頭でものを考えるしかないのだから、世界の中心はなんだかんだいっても自分なのである。だからこそ「自分」に興味を示してくれる相手はいつだって大歓迎なのだ。
自分の基準や都合で人と関わらないこと。相手の脳みそを想像できること。この二つをいつも考えていければ、たとえすべてが正解ではなくても、きっと対人関係はよりよくなっていくだろう。
「人を動かす」というよりも、「人を自主的に動かす」ということ。とてもむつかしいように思えるけれど、この本を読んでいるとなんだか自分にも出来るような気持ちになれる。この先、何度も読み返すことになりそうだ。やはり名著であった。