テレビ映画日記

「MONDOVINO」

モンドヴィーノ [DVD]

モンドヴィーノ [DVD]

この世界に生きている私たちは、多かれ少なかれ情報に左右されている。そのことを痛感するドキュメンタリー。
世界中のワイン関わる人たちのインタビューで構成されている。
ワインのグローバル化、その代償について考えさせられた。これを見終わるのに、1週間くらいかかったのだが、その間、1本だけワインを飲むことになった。見ている途中から、全然ワインを飲みたくなくなってしまって、どうだろうかと考えていたのだが、やはり美味しいと思えず(この暑さと保管状態も大きく影響しているだろうが)、めずらしく1杯飲み干すことができなかった。
モノを作るということは、なんにしても需要がなければ成り立たない。需要と供給。そのバランスの中で、誰かはモノを作り、誰かは誰かの作ったものを買う。現実問題、だれも買いたいと思わないものを作り続けることは非常に難しい。パーカー氏の登場がワインの世界に変革をもたらし、そしてグロバール化という名の平準化に拍車をかけることになった。
お酒の趣味なんて人それぞれで、私はやっぱりビールが大好きなのだが、とにかくA社のSドライは、なんであんなに味がしないんだろうといつも思う。しかし、夫は「夏はやっぱりSドライ!」といい、うまそうに飲み干している。私は「味がしない」という気持ちを隠しつつ、一緒に飲み干す。そして、一人で晩酌をするときには、そっとK社のクラッシックLを飲み干す。
自分が美味しいと思えば、それでよいのだ。美味しいと思うものを、「ん、これくらの値段なら妥当」と思う価格で購入すればよいのだ。
楽天なんかでワインを買おうとするとき、必ずパーカー氏の点数が宣伝文句として使われている。近所のワインショップの店長さんも、よく口にする。だけど、この前店長さんがすすめてくれた、プロヴァンスのワインは本当に安くて美味しかったし、パーカー氏によると○○点などということも言われなかった。
これからも、そういう酒を愛し、そういう酒に飲まれていこうと思う。